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2016/1/26
【不動産取引】併設駐車場の更新拒絶について

 カラオケ店舗とともに同店舗の駐車場として賃貸された土地(借地借家法の適用のない土地)についての更新拒絶が権利の濫用に当たるとされた裁判例が出ています。(福岡高裁H27・8・27判決 判時2274-29)

 平面駐車場利用目的の土地賃貸借は、建物所有目的ではありませんから、借地借家法の適用がありません。このため、土地所有者は、契約期間満了の際に、正当事由がなくても、契約を終了させることができるのが原則です。 他方で、賃貸借の目的である土地が、商業施設などの建物所有目的である場合、借地借家法の適用により、土地所有者が更新拒絶をしようとするときは、正当事由の具備が求められます。
 そうすると、本体である商業施設などについては土地賃貸借契約が更新されて借地上建物の収去を求められることはないけれども、隣接する駐車場敷地は土地所有者に返還しなければならないのか、という状況が生じます。

 この場合、通常、商業施設などの来客などのために提供されているのであろう駐車場を返してしまわなければならないとすると、商業施設の営業は事実上不可能となる場合があります(借地人の立場からすると、営業妨害的な更新拒絶に見えます。)。(なお大店立地法の適用を受ける大規模小売店舗では、駐車場の収容台数の変更(減少)は、都道府県又は政令指定都市へのあらかじめ届出事項にもなります。)

 そこで、冒頭に紹介した裁判例のように、隣接駐車場敷地の更新拒絶について、権利濫用法理によって、調整が図られるケースが出てきます。同裁判例では、土地所有者からの更新拒絶による土地賃貸借契約の終了の主張について、これが権利の濫用に当たるとして退け、契約が更新されて存続していると判断しています。

 実際上、複数筆の土地賃貸借において、これが一体のものとして利用されている場合、その一部が使用できなくなると、賃借人の不利益は大きなものになることがありますから、借地借家法の適用のない賃貸借契約の終了に関し、制限的に解釈されることが望ましいケースはしばしばあります。 しかしながら、更新拒絶を争おうとする賃借人の立場からすると、権利濫用のフィールドで闘わなければならない状況は、少なくとも権利の建て付けの外形上、窮屈です。冒頭に紹介した裁判例も事例の判断ですから、いつでも権利濫用となるわけではありません。このため、契約条項において更新拒絶がされにくくなる工夫をするなど、リスクを踏まえて契約締結段階における準備が望まれます。

 以上のように、借地借家法の適用のない賃貸借契約については、正当事由を具備しないでも契約が終了する場合があることの問題のほかに、目的土地が他へ転売された場合の新所有者への賃借権の対抗の問題があります。
 借地人の立場に立つとすれば、借地借家法の適用のない賃貸借については、①契約期間満了などの際に、土地所有者から契約を終了させられてしまうリスクと、②土地が転売された場合に、賃借権が覆滅させられてしまうリスクを認識して備えておく必要があります。
 土地所有者の立場では、この裏返しの問題となり、①契約期間が満了しても契約を終了させることができない可能性があることのリスクと、②売却後、結果的に賃借権が引き受けとなり、これが土地の売却代金にネガティブな影響を与えるなどのリスクを認識しておくことが必要ということになります。 立体駐車場については別に議論があります。

 参考となる裁判例について、東京地裁S61・1・30判決 判時1222-83、最高裁H9・7・1第三小法廷判決 判時1614-63、最高裁H7・6・29第一小法廷判決 判タ887-174など。

 

 

 

 

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