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2016/9/6
【遺言・相続等】被相続人以外の名義の預金が、被相続人の相続財産となるか。(名義預金)

被相続人以外の名義の預金が、被相続人の相続財産となるか。(名義預金)

 被相続人以外の名義の預金でも、被相続人の相続財産として、相続税の課税の対象となる場合があります。
贈与は、申告をしなければ、その時点で税務署に捕捉される可能性は低いでしょうけれども、相続発生時に相続税の課税を受ける場合があります。このため、思わぬ課税を受けないように、贈与は計画的に行う必要があります。

参考となる裁判例は以下のとおりです。

控訴審 東京高判H21.4.16 相続税更正処分取消等請求控訴事件
原審 東京地判H20.10.17 相続税更正処分取消等請求事件

【事案の概要】(概要ですから省略した部分があります。)

Bの相続人が税務署に対して相続税の申告をしたところ、Bの妻であるA名義の有価証券、預貯金(本件B名義預金等)が、Bの相続財産であってその申告漏れがあるとして、相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしました。
これに対して、Aの相続人が、本件B名義預金等はAの相続財産ではないとして、相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の取消を求めました。

【裁判所(原審)の判断の概要】

「ある財産が被相続人以外の者の名義となっていたとしても、当該財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったと認められるものであれば、当該財産は相続税の課税の対象となる相続財産となる。」

「そして、被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったか否かは、当該財産又はその購入原資の出捐者、当該財産の管理及び運用の状況、当該財産から生ずる利益の帰属者、被相続人と当該財産の名義人並びに当該財産の管理及び運用をする者との関係、当該財産の名義人がその名義を有することになった経緯等を総合的に判断するのが相当である。」

「本件では、本件相続当時、本件B名義預金等がAに帰属していた財産としてその相続財産に含まれるのか、それともBに帰属していた財産で相続財産に含まれないのかが問題となっているところ、財産の帰属の判定において、一般的には、当該財産の名義がだれであるかは重要な一要素となり得るものではある。しかしながら、我が国においては、夫が自分の財産を、自己の扶養する妻名義の預金等の形態で保有のも珍しいことではないというのが公知の事実であるから、本件B名義預金等の帰属の判定において、それがB名義であることの一事をもってBの所有であると断ずることはできず、諸般の事情を総合的に考慮してこれを決する必要があるというべきである。」

認定の経過の要旨
1.Bは、本件B名義預金等を自ら管理及び運用していた。
  ア 取引にかかる書類の記入や実際の手続をしていたのはBである。
  イ Aが脳梗塞で入院した後も、Bは従前と同様に証券取引を行っていた。
  ウ 証券会社においても、取引の説明は、Bに対して行っていた。

2.しかしながら、Bは、Aの相続財産であるA名義預金等についても、管理及び運用していた。このため、管理及び運用の実態は、本件B名義預金等の帰属を判断する決定的な要素であるということはできない。

3.Aは、Bに全財産を相続させる旨の遺言書を作成し、また、知人に対して自分が死んだ後の丁の生活を心配している旨の手紙を書いている。

4.本件B名義預金等の原資はいずれもAが出捐したものである。

5.AとBの年齢差も考慮すると、AはBの生活について金銭的な面で心配を有していたものの、その心配は、主として自分が死んだ後のことについてのものであったということができ、Aが、自分の死んだ後にBが金銭的な面で不自由しないように、遺言書の作成とは別に、自己に帰属する財産をB名義にしておこうと考えたとしても、あながち不自然とはいい難い。

6.そうすると、実際に生前贈与をした土地建物の持分については贈与契約書を作成し、丁が税務署に贈与税の申告書を提出していたのとは異なり、本件B名義預金等についてはそのような手続を何ら採っていないことも考慮すると、Aがその原資に係る財産をBに対して生前贈与したものと認めることはできないというべきである。



贈与は、申告をしなければ、その時点で税務署に捕捉される可能性は低いでしょうけれども、相続発生時に相続税の課税を受ける場合があります。贈与税を時効で免れて、相続税も賦課されずに済ませる、というのは簡単なことではないかもしれません。

 

 

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