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2016/10/28
【遺言・相続等】自筆の遺言の文面全体に故意に斜線を引く行為は、遺言の撤回にあたるか?

自筆証書遺言に赤のボールペンで棒線を引いた

自筆の遺言の文面全体に故意に斜線を引く行為が、遺言の撤回にあたるかどうかについての最高裁判決が出ています。(最二小判H27・11・20 判時2285-52)

事案は、自筆の遺言書が、文面全体の左上から右下にかけて、赤色のボールペンで一本の斜線が引かれている状態で見つかった、というものです。

控訴審では、斜線が引かれた後も、遺言書の元の文字が判読できる状態である以上、民法1024条前段にいう「故意に遺言書を破棄したとき」にはあたらない、として、結論として遺言は有効であると判断しました。

しかしながら、この最高裁判決では、控訴審判決を覆し、これが民法1024条前段にいう「故意に遺言書を破棄したとき」にあたるとしました。判示部分は末尾に引用します。

自筆の遺言は、様式(全部自筆か、押印があるかといった形式的な問題)が整っていない、あるいは、判読できない部分があるといった外形的な問題が生じるおそれがありますので、一般的には公正証書で遺言を作成することが望まれます。

もちろん、たびたび書き直したい、書き直すかもしれない、というような事情があって、自筆で遺言をすることも可能です。

自筆で遺言をする場合には、全文自筆、押印が必須です。遺言が二枚以上に及ぶときは、ホチキス止めなどをして、契印をします。 押印が遺言者のものではないのではないかという争いが生じることを避けるために、実印を押して印鑑証明をつけておくことが推奨されます。 遺言は、二人以上の者が共同で一つの証書ですることはできませんので、夫婦が共同で遺言をするなどといったことはできません。 また、変更は、厳格な要件が定められていますから、変更しようとするときは、元の遺言は処分して、もう一度全部書き直すことが推奨されます。 自筆の遺言は、封筒に入れて封印することは要件とされていませんが、他人による改変や破棄を避けるために、ほとんど全てのケースで封筒に入れて封印してあります。

自筆で遺言をしようとする場合でも、伝えたいことを正しく、誤解なく表現するためには、専門家に相談することが推奨されます。

(最二小判H27・11・20 判時2285-52)
「民法は、自筆証書である遺言書に改変等を加える行為について、それが遺言書中の加除その他の変更に当たる場合には、968条2項所定の厳格な方式を遵守したときに限って変更としての効力を認める一方で、それが遺言書の破棄に当たる場合には、遺言者がそれを故意に行ったときにその破棄した部分について遺言を撤回したものとみなすこととしている(1024条前段)。そして、前者は、遺言の効力を維持することを前提に遺言書の一部を変更する場合を想定した規定であるから、遺言書の一部を抹消した後にもなお元の文字が判読できる状態であれば、民法968条2項所定の方式を具備していない限り、抹消としての効力を否定するという判断もあり得よう。ところが、本件のように赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は、その行為の有する一般的な意味に照らして、その遺言書の全体を不要のものとし、そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当であるから、一部の抹消の場合と同様に判断することはできない。以上によれば、本件遺言書に故意に本件斜線を引く行為は、民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり、これにより竹夫は本件遺言を撤回したものと見なされることになる。したがって、本件遺言は、効力を有しない。」

(自筆遺言証書)
第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これに変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

(共同遺言の禁止)
第975条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第1024条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

 

 

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