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2017/2/17
【不動産取引】今注目されている民泊営業についての現状と今後。

民泊営業についての現状と今後

民泊営業についての現状を整理してみました。

1 民泊とは
いわゆる民泊というのは、主に訪日外国人観光客などの宿泊施設の受け皿として利用されるもので、ホテル・旅館の稼働率が高く、宿泊施設の不足を解消する一手段として注目されているものです。

その反面、同一建物の他の居住者や近隣に迷惑を及ぼすことのある営業であるとして嫌悪されるものとして取り扱われることもあります(むしろ最近では厳しい目線を向けられることのほうが多いように感じます。)。

また、これまでにはなかった(あったのかもしれませんが注目を浴びることのなかった)業態で、その法令適合性についても十分語られて来ませんでした。

2 法令適合性
法律的には、2017年2月の時点では、民泊は、次のいずれかに当たるのでなければ違法な営業と一般に理解されています。
  • ① 旅館業法の許可を得たもの(旅館業法では、ホテル、旅館、簡易宿所、下宿という4の類型がありますが、民泊は簡易宿所の許可により営業される場合があります。)。
  • ② 国家戦略特別区域法13条によるいわゆる「特区民泊」として認定を受けたもの。

  • 大阪市では特区民泊を実施するものとして、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」が制定されています。その内容は、消防関係法令の適合性、開設に際しての近隣説明、水質検査、契約約款の作成、最低宿泊期間は2泊3日などとなっており、少なくとも誰でも気軽に始めることができるような制度になっているとは評価しがたいものです。

    反面、Airbnbなどのサイトを見ると多数の宿泊施設が提供されています。このため、今後もしばらくの間は、認定を受けない民泊が多数営業され、目につくものだけが時折取り締まりに合う、というような状況が続くだろうと予測されます。

    3 現場で起こっていること(オーナーと民泊事業者の関係)
    先にも述べましたとおり、民泊は、周辺に迷惑を生じさせるものと見られることがあり、このため、分譲マンションなどでは、平穏な生活環境を保持する目的で、民泊禁止の規約改正が行われている場合があります。少なくとも、大手マンションデベロッパーが手がける分譲マンションでは、管理組合の設立時規約に、民泊禁止条項は、初めからセットされているものと推察されます。

    このため、民泊に適する物件というのは、①一棟を保有しておられる建物オーナーが、自ら空室を利用して、または一棟丸ごと民泊営業をされる場合か、あるいは、②民泊営業を希望する事業者に部屋を賃貸する、という類型になっていると思われます。

    ②の場合、オーナーと民泊事業者の間の契約は、賃貸借契約により律せられることになりますが、民泊営業を前提とした賃貸借契約の条項は、これまでのところ十分成熟しているようには見えません。実情としては、住居や事務所使用目的で契約して、実際には民泊営業が行われているケースもあります。

    民泊では、不特定多数の外国人が利用することが前提になりますが、外国人が部屋の場所が分からなくて周辺地域や建物内を徘徊したり、部屋を間違ったり、その他、鍵の受け渡し方法、オートロックの使い方、ゴミの捨て方、深夜の騒音など、通常の住居や事務所としての使用では現れてこない問題が発生することがあります。 こういった問題を巡って、オーナーと民泊事業者との間で紛争を生じることもあります。

    このような場合にどうするのか、オーナーと民泊事業者の連絡態勢の確立や、利用の上限の設定、予約状況の通知、利用実績の報告、迷惑行為が顕著である場合の解除条項など、一般の賃貸借契約とは異なる工夫が必要となる場合があるかもしれません。

    民泊事業者の立場では、本来、契約上の拘束は少ない方が望ましいのですが、民泊を長期間実施しようとするなら、できる限りの対応をして、オーナーの理解を得、信頼関係を保つ努力が必要となります。

    今後、建物所有者、民泊事業者、利用者が満足できる民泊の運営実務が確立されてゆくことが期待されます。

    4 国家戦略特別区域法
    国家戦略特別区域法は、特区民泊の根拠となる法令ですが、同法13条では、民泊事業が、「賃貸借契約」によって実施されることが前提となっているように読めます。
    しかしながら、民泊事業者と利用者との間の契約は、賃貸借契約であるとは考えがたいところです。
    民泊といえどもチェックイン・チェックアウトの時刻が決まっているでしょうから(例えば午後3時チェックイン、午前11時チェックアウトなら、部屋の利用可能時間は20時間で、1日にも達しません。)、民泊の利用者には建物の部屋に対する独立した占有があるとは評価しがたいですし、利用料も、例えば2泊3日であれば、賃貸借契約なら3日分の賃料が発生しそうですが、民泊では2泊分としてしかカウントされないのが普通だと考えられます。
    ホテルや旅館に宿泊することが賃貸借契約であるとは一般に理解されていないことと同様に、民泊の利用も賃貸借契約とは考えにくいと思われます。
    この点において、特区民泊に関する法令は、民泊の実態を、適切に捉えていないように感じます。

    5 今後の展開
    今後は、旅館業法による民泊、特区民泊の他に、新たに民泊新法の制定が検討されていますが、漏れ伝わってくるその内容は、規制を強化するもののように見られます。
    先にも述べましたとおり、多数の宿泊施設が現実に提供されており、これが外国人観光客の便宜に適っている現実があります。
    このため、「新法で民泊ができるようになりました。」などと謳いながら、実質的には民泊を禁圧するような法律が制定されないことを期待します。

     

     

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