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2017/5/17
【不動産取引】敷金の回収のために、残期間賃料の支払いを停止しますか?(1/2)

敷金の回収のために、残期間賃料の支払いを停止しますか?

たとえば、賃料月額100万円、賃貸借契約の残り期間が6ヶ月、あと6ヶ月で契約を終了して明け渡す、という場合、残る6ヶ月のために、今後、合計600万円を支払うことになります。他方で、敷金を600万円預けている。

こういったケースでは、入居者の立場からは、600万円払って600万円戻ってくることになるはずなので、これはもう相殺的に処理したい、という気持ちになります(敷金を返してもらわないでよいので、賃料の支払いをしないで済ませたい。)。
実際のところ、賃料600万円を支払って、賃貸借契約が終了して明け渡した後に、賃貸人が倒産すると、敷金600万円は返ってこない可能性があります。

しかしながら、敷金は、賃借物件を明け渡して初めて返ってくるものですから、それで賃貸人と合意できれば別ですが、明け渡しをする前に、賃料と敷金を相殺することはできません。

この点について、敷金は、賃借物件の明渡しまでの期間中に、賃貸借契約から生じる賃借人の債務(被担保債権)を担保することを目的とする契約であり、敷金の返還請求権は、目的物の返還時において、上記の被担保債権を控除し、なお残額があることを条件として、残額につき発生するものです。

そうすると、故意に、残期間賃料600万円を支払わないでおいて、そのまま賃貸借期間を満了させ、賃借物件を明け渡した場合、600万円の敷金から、その被担保債権となる600万円の未払賃料が控除され、差し引きゼロとなりますから、これによって、未払賃料600万円と敷金600万円は、自動的に相殺されたのと同じ結果が得られます。

以上のことから、賃貸借契約が終了する際には、敷金の額に見合うまで、賃料の支払いを止めてしまう、というのが、最も効率のよい敷金の回収方法となります。しかし、故意に賃料を支払わないという手段をとってもよいのでしょうか。この手段を取った場合のリスクについても考えておく必要があります。(つづく)

 

 

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