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2017/5/17
【不動産取引】敷金の回収のために、残期間賃料の支払いを停止しますか?(2/2)

敷金の回収のために、残期間賃料の支払いを停止しますか?

(承前)次に、この方法を取った場合のリスクを考えます。少なくとも以下の状況が生じることは確実です。
  • 1.支払わないでおく賃料は、債務不履行(契約違反)になる。
  • 2.賃貸人や管理会社から督促が来る。
  • 3.賃貸借契約に定められた遅延損害金が発生する。
    さらに、以下の問題が起きるかもしれません。
  • 4.未払賃料の請求訴訟を提起される。
  • 5.賃貸借契約を解除され、明渡請求訴訟を提起される。
  • 6.原状回復費用について、実費を支出しなければならない。

1.については仕方がありません。賃料の支払いを止めるときは、債務不履行となるのは当たり前です。ですので、2.も当然起きてきます。

3.遅延損害金については、これも仕方がありません。契約に特約がなければ、年5%又は6%の割合となりますが、特約があればそれによります。今でも、遅延損害金の割合を日歩5銭(年18.25%)とする契約がありますから、確認が必要です。
当月分の賃料を前月末日に支払う契約において、仮に6ヶ月分の賃料を支払わないでおく場合では、契約の終了までに、21ヶ月分の遅延損害金が発生します。賃料月額が100万円で年利18.25%とすると、32万円弱ぐらいになります。

4.については、賃料を未払にする以上、支払請求訴訟提起の可能性は否定できません。しかし、賃料の滞納が初めて発生してから訴訟提起までには、2~3ヶ月ぐらいはかかるでしょうから、賃貸借契約が終了するまでの6ヶ月間の間に、訴訟が終了して強制執行を受けるところまでたどりつけるでしょうか。

5.も同じ問題があります。賃貸借契約が終了する6ヶ月間の間に、明渡訴訟が終了して明渡強制執行を受けるところまでたどりつけるでしょうか。

6.についても当然のことです。しかしながら、原状回復の範囲に争いがある場合、賃料を滞納せず敷金をそのまま残していれば、敷金返還請求訴訟を提起しなければならないのは賃借人です。これに対して、賃料を滞納したまま明け渡した場合、滞納賃料は敷金に充当されますから、原状回復費用の請求訴訟を提起しなければならないのは賃貸人です。

実際に賃料の支払いを止めるかどうかは、以上のような点を考慮しながらの判断となります。第一義的には、債務不履行を意図的に発生させるわけですから、それ自体が問題であることを認識しておく必要があります。

しかしながら、月額賃料が1,000万円、敷金が6,000万円で、どうやら賃貸人の資金繰りが怪しいらしい、という状況ではどうするべきでしょうか。あるいは、これを超える条件の賃貸借契約も、世の中にはいくらでもあります。
高度なコンプライアンスを求められる事業主体では(あるいはそうでなくても)、債務不履行を意図的に惹き起こすことは望ましくないことでしょう。ですが反面、今なら回収手段のある敷金を、みすみす回収不能のリスクに晒してよいでしょうか。

(参考:最二判S48.2.2、最一判H14.3.28)

 

 

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