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2018/2/9
【不動産取引】賃料保証会社による賃料の支払いと賃貸借契約の解除

賃料保証会社による賃料の支払いと賃貸借契約の解除

近年では、建物賃貸借契約を締結するにあたり、賃料の保証会社との契約を求められることが珍しくありません。

ところで、入居者が賃料を支払わない場合、賃料保証会社がこれを支払うことになるので、外形上、賃料の滞納は解消されたことになります。

保証会社による支払が何ヶ月か続く場合、家主は、賃料の未払を理由として、建物賃貸借契約を解除することができるでしょうか。

この点には、裁判例があって、これによると、以下のように判断されています(大阪高判H25.11.22。上告不受理。)。

「本件保証委託契約のような賃貸借保証委託契約は,保証会社が賃借人の賃貸人に対する賃料支払債務を保証し,賃借人が賃料の支払を怠った場合に,保証会社が保証限度額内で賃貸人にこれを支払うこととするものであり,これにより,賃貸人にとっては安定確実な貨料収受を可能とし,賃借人にとっても容易に賃借が可能になるという利益をもたらすものであると考えられる。しかし,賃貸借保証委託契約に基づく保証会社の支払は代位弁済であって,賃借人による賃料の支払ではないから,賃貸借契約の債務不履行の有無を判断するに当たり,保証会社による代位弁済の事実を考慮することは相当でない。なぜなら,保証会社の保証はあくまでも保証委託契約に基づく保証の履行であって,これにより,賃借人の賃料の不払という事実に消長を来すものではなく,ひいてはこれによる賃貸借契約の解除原因事実の発生という事態を妨げるものではないことは明らかである。」

要は、保証会社が支払っているだけであって、入居者による賃料の不払いという事実は変わらない、ということで、債務不履行による契約解除原因が発生することを妨げない、保証会社が賃料を支払っていても契約解除は可能である、ということです。

これによれば、保証会社が代位弁済継続中でも、家主は契約を解除できることになりますから、保証会社にとっては望ましいことでしょう。

ですが、保証会社が代位弁済した場合、原債権である賃料債権は、保証会社に移転し、家主の下には、未払の賃料債権はありません。このため、代位弁済前の賃料の不払いに基づいて、家主が契約を解除することを許す実益は、全くないとまではいえないにせよ、果たしてどこまであるでしょうか。

また、保証会社は、保証期間の範囲内、又は、保証限度額の範囲内で、保証委託契約及び連帯保証契約に基づき、未払賃料の保証債務を履行する義務があるのであって、保証会社は、その対価として保証料を徴収しています。このため、保証会社の利益のために解除を許す必要性は、おそらく出てこないと思われます。

このほか、賃料の保証するのは保証会社だけではありません。保証会社ではない親子や親族間、知人に保証人を頼んでいたケースで、保証人が賃料を支払った場合でも、家主は契約を解除できると考えてよいでしょうか。例えば、子供のために連帯保証人になった親では、親が保証履行したのに契約を解除されたのでは、怒ってこられる場合もあるのではないでしょうか。

以上のように考えると、この裁判例では上告不受理とされましたが、これによって、この問題について最終的な決着がついたとまではいえないように思います。

なお、現実の賃料保証契約では、賃料に滞納がある場合に保証会社が求めたときは、家主は、契約を解除する等の措置を取ることとされているものがあり、これをしないときは、保証債務を免れるという条項がある場合があります。
この場合には、家主は、保証会社から求められれば、契約を解除しないといけない立場になります。

この先には、「家主は、保証人に対し、保証人が無限定に責任を負うことを免れさせるために、賃貸借契約を解除する義務を負うか。」という問題があります。次第に、損害拡大防止義務とか損害軽減義務と言われるような問題に近づいてゆきます。

これは、保証会社でない親族・知人による連帯保証の場合にいっそう難しい問題であると思われます(賃料保証会社では、通常、保証期間、保証額に上限があることに対して、親族・知人による連帯保証には、通常、保証期間、保証限度額が設定されないためです。)。

 

 

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